資産運用とその理論

安全在庫についてで記載したように、様々な理論は机上では良さそうでも現実への適用に際しては少し考える必要がありそうです

この記事では安全在庫で考えた内容を資産運用について応用してみました
結果としてはやはり資産運用についても理論と実践の差は大きそうです

これこれこういう計算式から証明されている、というのは良く見ますが、本当に証明されたと言えるのかはもう少し疑ってみても良いかもしれません

一方で、方向性については参考になりそうです
特に、分散についてはある程度一般的なものとして扱って良いのではと考えています



安全在庫のおさらい

安全在庫は√リードタイム×使用数量の標準偏差×安全係数で定められ、欠品による機会損失を防ぎつつ、過剰な在庫を避けるための考え方です

普遍的な考え方ですが、式内に表れるリードタイム、使用数量の標準偏差、安全数のいずれも固定の数字ではないため、実務への適用は簡単ではありません
また、より上位の対策により安全在庫を減らす取り組みも大事でした


資産運用への適用

時価総額加重平均形インデックス投資

現代ポートフォリオ理論は結論から言えばシャープレシオの観点で時価総額加重平均型のポートフォリオが最も優れているという理論です

どのような他のポートフォリオも、時価総額加重平均に勝てないという理論で、確かに計算式だけ見ると正しく見えます
この理論は自分の全財産を預けるに足る理論なのでしょうか

前提条件が正しくない可能性が高い

時価総額加重平均型のポートフォリオが最も優れていることは事実のように言われることが多いですが、決してそのようなことは無いと思います

安全在庫は算出時に使う値に予測できない変動などが含まれていたので妄信するのは危険でした
例えばリードタイムは固定である、という前提が現実には成り立っていなかったのです

この観点で現代ポートフォリオ理論はどうでしょうか

現代ポートフォリオ理論は前提条件として、市場参加者は淡々と最適と思われる行動をして、市場は効率的である、という条件があります
しかし、両者とも確実とは言いきれません

市場参加者は時に、というより、殆どの場合で最適と思われる行動をしません。仮に時価総額加重平均型のポートフォリオが最も優れているのであれば、殆どの参加者は非効率と言えるでしょう
また、淡々と行動するならバブルも○○ショックも発生する理由がありません

市場も完全に効率的とは言えません
サプライズで大きく上下することがありますが、明らかに漏れてんだろ・・・という動きをするときがあります。また、報道で○○が不祥事を前に売り抜けということも度々聞いたことがあるでしょう

また、シャープレシオはリスクとリターンの比率ですがこれも事前にわかりません
リスクとリターンは過去のデータや将来の分析から導き出すのでしょうけど、過去のデータは未来も同じではないですし、将来の分析をするなら、「シャープレシオは分析により決める、分析は俺の勘で行う」と大差ありません

現代ポートフォリオ理論も前提とする条件が必ずしも正しくないため、同じく妄信するのは危険だと考えます
これらの前提条件がある程度崩れたところでも成り立つ理論なのかどうか、議論が必要だと私は思うのです

より上位の要因がある可能性もある

安全在庫を適切に計算しようとするより、サプライヤとの関係性を向上させて優先的に納品してもらう方が有効な場合があることを書きました

同じように、資産運用もより上位の解決策を採る必要があるかもしれません

時価総額加重平均形インデックス投資が仮に最適だったとします。それでも尚、それ一本で良いとは言えないということです

資産運用は何も株だけではありません。土地や商品(金とか原油とか)、仮想通貨などもあります
インデックス投資についてで記載したように、上場がゴールではなくなれば、株式市場の存在感は無くなる可能性もあるでしょう

現時点で金(ゴールド)への最適な投資理論はこれだ、資産運用は全てこの理論に任せればよい、と言われたら、多くの人は「は?」となるでしょう
それは、金よりも株式の方が市場規模が大きく、期待リターンが高いと思われるからでしょう
同じことが株式市場にも起こるかもしれません

仮に株式で運用するのであれば時価総額加重平均型のポートフォリオが最も優れているとしても、それでも尚、それに全振りすればよいわけでは無いのです

そう、株式で運用するのであれば、という前提条件が必ずしも正しいとは限らないのです

適用できそうな部分

現代ポートフォリオ理論(の解説ブログとか)を見るに、やはりこれらの理論自体が現実的ではない前提条件を元にしているように思えます

一方で、ある程度適用できそうな理論もありそうです

例えば分散はかなりの部分で正しいと思われます
リターンが同じくらいだなあとおもう銘柄複数の相関係数が1であることはまずないので、分散することでシャープレシオが上がることは確実です

どこまでを同じくらい自信があると言えるかは難しい話かもしれませんが、同じくらい自信がある銘柄が複数あれば、集中より分散が正しいです。

また、購買力平価説なんかもそれなりに成り立つと踏んでいます
前提条件の一物一価、自由貿易など明らかに成立しない前提の考え方ですが、方向性としては成り立つと思います

空気抵抗がある中だと45度に投げることが最善ではないにせよ、ある程度遠くまで飛ぶってのと同じです

そのため、私は余り為替の影響を考えないようにしています


まとめ

全体的に否定的な内容になっていますが、私は基本はインデックス投資をメインにしています

時価総額加重平均形インデックス投資を絶対に上回ると思う投資法も無いですし、過去データで殆どの(プロを含む)投資家がそれに勝てていないということもそれなりに重要な事実だと考えているからです

これは必ずしも矛盾した行為ではなく、理論が間違っているかもしれない、もしかしたら株式市場自体がお亡くなりになるかもしれない、ということを想定しながら利用している、そしてこれからも利用していく、ということです

とりあえずはこの理論に乗っかりつつ、資産運用戦略で書いた私の最終的な目標(できれば老後にのんびりしたい)を忘れないように資産を運用していきたいと思います






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