リスクを読むことは難しい

投資についての本などに、よくリスクを考えようとか、標準偏差(とかσ)がでていますが、そこまであてにならないんじゃないかなあという話です



標準偏差とは

標準偏差とは、簡単に言えば平均からのバラツキです
標準偏差が大きいほどバラツキが大きく、小さいとバラツキが小さいことを示します

投資の際のリスクに関連して良く出てくる2標準偏差というものは、変動する対象について95%はその中で納まるという考え方に基づいています

特にアセットアロケーションを組む際に参考とされることが多く、
特に暴落時にも95%の確率でこの辺に収まるから、それに耐えられるように検討しよう、のように使われます



5%の確率を滅多にないとみなせるのか

さて、5%は本当に滅多にないとみなせるのでしょうか

毎年5%の確率で「耐えきれない」資産の減少があると仮定すると、30年投資したら8割の確率で一度はその資産の減少を経験することになります

重要なのは8割という確率の高さではありません
投資を30年続けたら、1回や2回、リーマンショックやITバブルのような物凄い暴落に巻き込まれることは想定しておくべきです

問題なのは、「耐えきれない」資産の減少ということです
つまり、「その時点で金融資産をすべてパニック売りして全て円に変えてしまう非常事態」が、8割の確率で発生するということです

2標準偏差ではとてもじゃないですが、安全とは言えません
この点はもう少し認識して、リスクを捉えるべきではないでしょうか

下記リンクも、偶にしかないことが実際には起こった例です
参考リンク:ガリガリ君が2回連続で当たって考えた投資に必要なこと

こういうほぼあり得ないケースも現実世界では起こります

とはいえ、じゃあ3標準偏差(99.7%は想定の範囲内に収まる)なら良いかと言えば、
そうでもありません

3標準偏差で考えるとかなり安全なアセットアロケーションになってしまい、逆にリターンを毀損(してインフレに負ける)する可能性もありますが、次のような問題もあります



標準偏差以上の落ち込みも想定される

あくまでリスクやリターンは年間など、ある程度時間を設けて計算するわけです
つまり、年の中のある一点を取ればもっと下落している場合もあります

年単位で考えていた場合、年間でこれ位ーっと思っていたラインを、年の途中では割り込んでくる可能性は否定できません

また、そもそも標準偏差と言う考え方はバラつきが正規分布ということを前提としています
もし株式の値動きが実際には正規分布ではないとしたら、仮に3標準偏差で安全を見ても無駄だということです

例えば1929年の大暴落では90%近い下落率を記録しています
こういう例外があることを考えると、株式の値動きは正規分布ではなく、最初から標準偏差という考え方を当てはめるべきではないのかもしれません



まとめ

投資の際のリスクに関連して良く出てくる標準偏差は2標準偏差では甘すぎて暴落時にパニックになる、3標準偏差では安定を取りすぎでリターンを犠牲にしてしまう可能性があります
更に、そもそも標準偏差という考え自体株式の値動きには適用できないのかもしれません

じゃあどうすれば良いのかと言われると難しいのですが、
私は最悪のケースとして、リスク資産はゼロになることを想定した上で、
株式は最終的には報われると信じて資産運用することにします


参考リンク

バリュー投資家『鎌倉見物』の米国株投資様
1941年1月にS&P500に100万円を投資していたら、現在0円となっているお話です
何故なら一度凍結・没収されたから
流石にここまでは想定する必要はないかもしれませんが、現在の資産がそのまま将来も維持されないというのは必要な考えではないでしょうか



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