「超」整理法・時間編を読みました

本に記載されていることは、私が実行している管理方法も多数あり、その方法に自信を深められたり、また、幾つかの方法は新たに試してみようかと考えたりと、得ることは多い本でした

ただ、やはりというべきか、筆者が狙っている「割り込みも含めたスケジュールの管理の問題を解決できる現実的なノウハウ」までは遠いなあということも再認識する結果になりました

まあ、時間管理を完璧にできる=自分の能力以下の仕事しかしていない、ということなので、永遠に解決することはないのでしょうね



超整理法・時間編を読んで

第1章

スケジューリングのできない理由として、先の重要な仕事の予定があっても、それに気が付かず「まだ時間がある」と考えてしまうことが挙げられています
そのため、長期のスケジュール、中期のto-doメモ、その日にやるメモの3種を提案されています

私は、中期のto-doはメール&クリアファイルの資料(第5章の整理法で運用)で代用、その日にやるメモは実践しています

本当に簡単な事(メールで事務連絡するレベル)ですら、今やってる仕事の一区切り後にやろうとした場合、やはり紙に書かないと忘れるんですよね・・・

後は、多少非効率でも、今終わらせられることは今ケリをつける、も意識しています
これは処理できる総量が増える一方で、朝の2時間程度が簡単な事務処理に拘束されるので、大事なことがどうしても後回しになる弊害も見えてきましたが・・・

長期のスケジュールも作った方が良い(以前は作っていた)と考えていますが、今は一時的に仕事の分担が代わり、長期的なことに割く時間が無いので、分担が戻ったら考えるようにします



第2章

拙速を旨とし、仕事は中断せず、割り込み案件には応急処置だけして元の仕事の区切りまで行う、人に頼むなど所要時間が不確定の仕事を優先する、などのノウハウが書かれています

一定期間(人によるけど筆者は3か月)以上先の約束はしない、割り込み案件は応急処置で済ませる、は私にとっては実践不可能なノウハウです
他にも、中断しない時間帯の確保、も不可能です(全体的にこの章は私にとって不可能なことが多い感じ)

私に約束をしない権限がない案件が多いこと、元の仕事を放り投げて対応しないといけない仕事が多いこと、が大きな理由です
展示会・勉強会出張は勝手に決まりますし、不具合対応などは直ぐに動かないと信用無くしてしまいますからね・・・こればかりは仕方ないところ
以前から心がけてはいますが、できる限り意識する、程度に留まっています

所要時間が不確定のものを先にするのは大事と考えています
特に、複数人に頼む必要があるものは、それぞれの人が休みとか多忙で遅れ、積み重なって大きな遅れになることが良くあるからです

第3章

電話ではなく文書(メール、ファックス含む)にすることで、様々な問題が解決することを示されています

これは私も大いに同感で、私もできるだけ電話しない様に心掛けています
私が電話するときは
・「今」回答・対策が必要な場合
 →例えば、緊急であることの連絡とか、作業中の現場への指示
・私の作業中に確認が必要になったが、中断したときのコストが大きい場合
 →例えば、前処理が漏れていて、確認した上で処理しないとやりなおしになる場合
などに限られています

逆に、電話で何か依頼された場合、急がない(数時間以内に回答すればよいレベル)ならメールを送って貰うようにしています
それでも電話で済ませようとする人は、意図的に優先度を落とします

急ぐ場合でも込み入った内容の場合は、急ぐことだけ電話で伝えて内容は文書で送る方が結局解決は早いので、電話を使わない文化はもっと広まって欲しいところですね

文書を希望するのは、中断されたくないというのも一つの理由ではあります。
ただそれ以上に、これも筆者の指摘通りですが、電話では要件が分かり難いってのも大きな理由です

人によっては、要件を自分で理解せずに電話を掛けてくる人も居ます
電話で質問が来て、込み入ってる内容だからメールで送ってくれと言ったら、届いたメールの内容が自己解決したというオチは、良くあります

第4章

組織内の連絡も文書で、を主張されています

これも大いに賛成で、特に会議資料を読むだけの発表については私の会社から無くそうと(密かに)考えています
会議資料は事前に見てくれば良いですし、見てわからない会議資料は資料の意味がありません。特に後で見返した時に困ります

上司への報告手段として「要点をメモしてあります、ご説明しますのでお時間ができた時お呼び下さい」を挙げられてます
これも効果的で、(メモではなくメールが多いですが)私も良くこの手を使います

第5章

「超」整理法のまとめです
こちらの本も読んだ気がするのですが、捨ててしまったのか、手元にも実家にもありませんでした
簡単に言えば、全ての資料を封筒に入れ、内容で分類せず使った時間順に並べろ、というものです

私もこれをほぼ実践しています
封筒ではなくクリアファイルですし、法令上や内部統制上、内容で分類する必要が結構あるので、そのままズバリでは無いですが

長期的に保管する上内容が決まりきっている資料(毎月の売上資料とか)以外はこの方法がベストだと思っています

第6章

人に教えてもらえ、時間を買え(タクシーとか)、隙間時間を使え、という内容です
この辺は、よく言われていることですね

部下の方が時間も掛かり結果も微妙でも、任せられることは任せて、自分はもっと高度な仕事をせよ、というのは万が一出世したら確実に実施したいなあと思っています

時間は兎も角結果が微妙な場合、任せたくなくなりますが、自分で「どうでも良い仕事」を完璧にこなした代償に「重要な仕事」の完成度が落ちる方が、トータルの成果は確実に下がるはずです

第7章

人のワーキングメモリは7つ程度しかないとかそういう話です
大量の「やるべきこと」を全部覚えるのは無理でも、「やるべきこと」を纏めて「袋」に入れ、「数を減らす」ことで実行漏れが防げます

具体的な説明として述べられていた、「やるべきこと」は全部覚えられていなくても、「やるべきことが入ったto-doボード(=袋)の存在」は覚えておけるという説明は腑に落ちました

私も仕事の内容(これからやること)のほとんどはメールとクリアファイルだけに集約しており、我ながら良い方法だと感じています

終章

他人の時間も大事にするために、約束の時間を守る、他人に予定を知らせる、依頼者に待ち時間を連絡する、懇談・挨拶の廃止、などの文化となるよう願われています

これは私も意識していきたいですし、組織内でも是非こうなるよう、地道に活動しているところです



まとめ

古い本(1995年発行)ですが、今でも通用する話が多くありました
携帯電話やメールが普及していなかったので、その辺のズレはありますが
それだけ、時間管理というのは厄介な問題ということでしょう

本書を要約すると(本書内で要約されていることですが)
「数週間から数か月後のスケジュールを<目で見て>把握すること」
「連絡は文書で」
となります

既にこの2つは重要と考えて(前者は中断していますが)私は実施しています

個人的にもう一つ重要と思うことが、今やれないことは一生やれないという気持ちを持つことです
「兎に角問題は見た時に必ず一区切りまで他を捨ててでもやる」(それができない時はそもそも問題を見に行かない)ことで、集中力も高まり、結果的にやれる量が多い、という信念を持つことです
前述の通り、守れないこともありますが、意識することは重要と考えます

さて、問題なのは、既に本書の重要な部分は実践していますが問題が解決していないことです
とはいえ、時間管理というものは、永久に解決せず、誰も成し遂げられない問題なのかもしれません

考えてみれば当たり前で、トラブルや割り込みを完全に読み切ること、あるいは想定外に起こる問題の対処のため十全な余裕を持つことは不可能だからです

居るとしたら自分の能力よりも遥かに簡単な仕事をしていると断定して良いでしょう

まあ、できることを着実に実践していくことで、少しでも前進できるよう精進していけば良いかなあと考えています





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