過去のデータは信頼できるのか

資産運用の際に、過去のデータを元に投資手法を検証することは良くあります
この手法は完全に信頼できるものでしょうか?という疑問です

過去のデータは有用な一方で、省略された要素があり、記録が1個しかありません
データの作り方によって導き出される結論も違うでしょう

この3点において、過去のデータを元にした投資理手法・投資手法などは全面的に信頼できないと私は考えます



過去のデータは大抵省略された要素がある

最もよく見かけるのが株価が歴史上どのように変遷してきたかのデータです
色々なデータがありますが、大体のデータが、インフレ、為替、配当、税金、手数料のいずれかを考慮していません

もちろん、あらゆるデータを勘案したグラフを作るのは手間が掛かるのは間違いないですし、省略してもある程度の方向性はみえるでしょう

しかし、特に長期投資においてそれでよいのでしょうか

例えば高校物理ではモノを投げ上げると空気抵抗が無い前提で計算します
一方、大学以降では空気抵抗がある前提で計算することもあります
前者と後者では全く違う結論となることも少なくありません

株価の場合、空気抵抗程は影響がないかもしれません
確かに、税金の影響(複利と単利)で税金について計算してみましたが、税金のみ、10年程度という条件なら致命的な影響はありませんでした

しかしこれが、インフレ、為替、配当、税金、手数料を30年無視するとなると、
大幅に違いがでる可能性が高く、それゆえ正当な結論が出ないことでしょう

長期投資では僅かな数字の違いが大きく結果に表れるので、簡単に過去のデータは信用できないと考えています



過去のデータは記録が1個しかない

歴史は1回しかありません
もしかすると、ほんの少し歯車が狂えば別の結果となったかもしれませんが、それは考慮しなくても良いのでしょうか

例えば、万全の体制で100m走るのと、微妙な体調で走る時のタイムはかなり違うでしょう
追い風5mの時の記録と向かい風5mの時の記録もまた違うでしょう
スタートの合図のピストルにピタっとあうかどうかもまた大きな要因です

株選手、債券選手、金選手、土地選手・・・が1回ずつ走った記録だけを元に、どの選手が最も優れているかを決めることができるはずが無い、、、と思います

それと同じように、各資産クラスの今までの成績も、必ずしも実力の全てが反映したものではない、そう捉えるべきと考えています



データの作成方法により結論が異なる場合が多い

データの作り方により、導き出される結論が異なることがあります
誤認させるような狡賢いテクニックを除くとしても、データの区間や基準は結論に大きな影響を与えるでしょう

例えばデータの開始時期と終了時点を変えれば、結論は変わります
また、比較対象をビットコイン建てにしたら多分誰も見たことのない光景になりそうです
(誰も、は大げさかもですが)

しかし、私のための資産運用で記載したように、人生は一発勝負、最後は結果論です

私が1960年から1989年に資産運用するのであれば、日本に投資するのがベストです
一方で2000年代から投資するならアメリカに分があります
恐ろしいことに、過去のデータの作り方次第では、いずれの結論も正しいのです


以下は金を買おうかなと検討した際に適当に作ったデータです

切り取り方①

切り取り方②


このように時間軸の切り取り方によって結論に大きな差がでることがわかるでしょう
切り取り方①は金は相当魅力的に見えますが、②ならAGGでよくない?という結論になりそうです

しかし、両者は切り取り方が違うだけで、両方とも史実なのです



まとめ

過去のデータは確かに有用です。それは間違いありません

しかし、少なくとも私にとっての資産運用の目的は、期待リターンの平均値(あるいは中央値)が高い手法を取り入れることではありません
「私が」資産を増やすことなんです!

そのため、データのみを信じて手痛い損失を受けないよう、色々な可能性に敏感であるよう気を付けたいと考えています






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