そこで、機関投資家、あるいは機関投資家に任せることに対する個人投資家の優位性について考えてみました
尚、ここでいう機関投資家は、GPIF(年金運用機関)みたいな比較的安全な運用を狙う組織ではなく、ある程度リスクを取って運用しているアクティブファンドなどをイメージしています
個人投資家は、手数料、強制売買、小型株投資、株主優待、などで構造的な優位性がありそうですので、そこを活かしていくことでリターンの上積みを得られるのではないかと考えています
個人投資家の優位性
個人投資家には4つの大きな優位性があります①機関投資家に手数料を支払わなくて良い
②強制売買をしなくてよい
③小型株に投資できる
④株主優待が活かせる
以下で個々にみていきます
優位性①機関投資家に手数料を支払わなくて良い
手数料は利回りに対してかなりの比重を占めます。しかも、確実に必要なコストです利回りが5%なのに、1%の手数料を払うことは、単年度でも20%の成績ダウンを意味しますし、複利で利いてくると更に差は大きくなっていきます
よほど利回りが良い投資先でない限り、この差を埋めることは難しいのではないでしょうか
優位性②強制売買をしなくてよい
倒産や繰り上げ償還などにより、個人投資家でも望まない取引を完全に排除することは難しいですが、機関投資家はそれに加え顧客の加入・離脱による取引を強制されます資産運用の障害:税金で記載したように、頻繁な売買は税金を多く払うデメリットを持っています
また、暴落の際に買い増ししたくても、顧客が資金を引き揚げれば逆に売り払う必要すらあります
税金の発生に加え、強制的に高く買って安く売るをせざるを得ない場合があるのです
個人投資家は含み損でもいつまでも売らない選択肢が取れますし、何なら買い増しも可能です
当たり前ですが、株高の時に買いで入ったけれども銘柄選びの結果大成している個人投資家はあまり見かけません
難しいことかもしれませんし、できないという意見もありますが、暴落時に買うことは必須に感じます
優位性③小型株に投資できる
機関投資家は自らの投資で市場を歪めてしまいます。買おうと思ったら株価がとんでもなく動いてしまうので、売買規模が大きくないと手が出せない制約を背負っています勿論、資金のごく僅かな割合に留めておけば可能ですが、手間に見合わないでしょう
過去のリターンは小型株の方が高い実績がありますが、これは機関投資家のリターンを押し下げるのに一役買っているのではないかと推測しています
牙が大きくなりすぎて絶滅したサーベルタイガーみたいですね
優位性④株主優待が活かせる
株主優待を重視する会社についてでも少し触れましたが、株主優待は機関投資家は活かせませんクオカード貰ったとしても、換金する手間も掛かりますし、換金したとして率は悪くなります
そのため、優待狙いや優待クロスは機関投資家は絶対にできず、構造的に巨大なアドバンテージがあります
あまりに有名な優待クロス銘柄は狙われて湖池屋の3万円ポテチとかになったりするので注意ですが・・・
個人的には操作ミスも怖いし、優待クロスまでは今の所やらない方針ではあります
まとめ
一般的に構造的な優位性は十分な強さを持ちますアクティブファンドに対するパッシブファンドの手数料はその最たるものです
機関投資家にも優位性があり、その最たるものは"もの言う株主"でしょう
そこまでいかなくとも社長などに直接インタビューして投資するかどうか決められます
これは個人投資家には絶対にできないことです
機関投資家に対して優位性を活かせない場合、上記機関投資家側の優位性に加え、知識や情報量で負けるのは自明なので、個人投資家側も優位性を活かしていくのは必須です
私としては、①は自動的に活かせるとして、次点では②が最も活かせるかなと考えています
やはり株式を持ち続け、暴落時に買い増しすることを最大限狙います
③小型株投資はそこまで目利きできなそうですし、④株主優待もそのリターンの低さから積極的にする必要はないと判断しています
参考リンク
バリュー投資家『鎌倉見物』の米国株投資様アクティブ運用がインデックス運用に負ける理由として、高い信託報酬、回転率の高さ(成績評価、望まない資金流入出)、市場平均そのものがアクティブ投資の結果、などを挙げられています
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