リターンの記録をしない理由

私はリターンの記録をしていません
その理由は主に、以下の3点です
・間接的なリターンを考慮できないこと
・結果は運の要素が大きいが、試行回数が小さいこと
・資産運用の目的が老後にまとまったお金が欲しい

勿論、記録しないよりはする方が良いのでしょうが、手間に比べて利点が小さいと思うので放置しています



リターンを記録する意義

ある銘柄に投資した記録を取っておいて、後で振り返って今後の参考にしましょう、という記載を見たことがあります
これに(何となく)昔から懐疑的で、なんでそう思うのか、その理由を考えてみました

間接的なリターンを考慮できない

理由の一つが、プレノンの株式投資様に綺麗に言語化されていました

「含み損益の管理は、トータルリターンの内、キャピタルゲインしか考慮できない。例えば私のポートフォリオの上位を占めるIBMとフィリップモリスはどちらもインカムゲイン型の投資対象で、長年私にかなりの額の配当を供給してきてくれた。含み損益はこの貢献を何も反映しない。かといって、単純に両銘柄の配当総額を記録しておけば良いのかというと、それでも致命的な情報が欠落している。
 両社が私に支払った配当は、私が他の銘柄に投資し、その銘柄がさらに配当したり、株価が上昇することによって、私に複利効果をもたらしてきた。受取配当総額の情報は、単利の情報しか与えてくれない。」

そう、長期投資で必ず引き合いに出されている複利のチカラが一切考慮されないのです

また、仮に債権と株式に投資して、複利計算も含め厳密に計算したリターンは債権が株式よりも劣っていたとしたとします
これだけでは、一見、債券はリターンが悪いように見えます

しかしながら、債券(或いは比較的安定した株式)に投資することで安心して別の(投機的な賭けの要素のある銘柄の)株式に投資して成功していたとしたら、債権等はリターンが小さかった、との結論になるのでしょうか

もっと言えば、現金を暴落に備えて持っていて、暴落時に首尾よく買った株式で大きなリターンを得た場合、そのリターンの源泉は100%株式と考えて良いのでしょうか

暴落に備えて現金に「投資」していたリターンとして暴落後の成長の恩恵に与れたのではないでしょうか

このように、直接的なリターン以外の利益を考慮するのは非常に困難です

結果は運の要素が大きいが、試行回数が小さいこと

ある程度中長期で取引する場合、試行回数は精々数百回です
下手したらもっと減りますし、更に勝負所があれば、その1回の勝負が大きく響きます
※そのため、毎日取引して試行回数が多い場合は意味が出てくるかもしれません

生存者バイアスの怖さでも書きましたが、そう、試行回数が圧倒的に足りないのです
極端な話ですが、1億程度の資産であれば運だけで成り立ちます
宝くじを当てれば良いのです

2018年のビットコインバブルでは300人以上が雑所得1億以上の収入を申告したと国税庁が発表しています
この全数ではないにせよ、少なくない割合は仮想通貨によるでしょう

振り返れば、2015年に仮想通貨に投資することは明らかに素晴らしいリターンをもたらしました
では期待値が高かったかと言われたら、断言できません
違う世界線なんていうIFがあれば多くはマイナスリターンだった、という可能性も高いのではないでしょうか

このように、期待値で長期回収するには物足りない程度の取引回数でリターンを元に成否を決めると、結果論になりがちです
結果論を振り返っても・・・ねえという感じ

100万回生きたねこじゃあないですが、人生を100万回やり直せば仮想通貨的な何かを当てる術を見つけられる可能性があるかもしれません
ただ、人生は一発勝負なのでどうしても試行回数が不足します

勿論、振り返りを完全に否定しているのではありません
ただし、少なくとも、リターンの多寡を元に成功/失敗を区別することに意味が無いと考えています

資産運用の目的が老後にまとまったお金が欲しいということ

資産運用戦略で書いたように、運用の目的はゆとりある老後の為です

直近の運用成績には全く意味はありません
今後30年間めっちゃ勝っても、老後に入った際に-90%を食らったら負けです

資産運用には株式などからのリターンの他に、収入向上、節約なども寄与します
リターンを記録するなら、それらも総合して記録する必要がありますが、難易度が高すぎることは明らかでしょう



結論

ということで、リターンの記録はあまりしていません

どの銘柄にどんな理由で大体いつ頃投資したかだけ見ておけば、後はそんなに気にしないで良いのかなあと考えています

損切りした銘柄だけは控えておいても良いかもしれませんが、失敗したからといってそれが間違っていたか、類似の事例に反省点を適用して勝てるかどうかは全く分かりません

短期的には、積立NISA(全世界株式に年初一括投資)よりはインデックス投資(タイミングを計る)が、それより更に個別株が、成績が良いように頑張りたいとは思っています

それすらも記載してきたように気休めで自己満です
やはり、私の目的を考えると最重要なのは出口戦略なのかもしれません
ここで失敗するかどうかが(私にとっての)資産運用の成否を大きく左右するのは間違いないでしょうから




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