生存者バイアスの怖さ~敗者は語れない~
生存者バイアスとは
生存者バイアスとは簡単に言えば、生き残った事例だけを見てあれこれ論じると間違えるよ、という理論です世の中の美味しい話の大部分は生存者バイアスによると言っても過言ではありません
旨い話をモノにしている人は存在します
しかし、その陰で誰かが負けている可能性を忘れてはいけません
生存者バイアスの具体的な事例
具体的な事例を挙げます・ルーレットで赤or黒に全財産賭けることを繰り返すとします
・単純化の為に胴元の取り分を無しとして、当たれば2倍とします
このルーレットに持ち金100万円で参加したら、1024人に1人は10億円の資産を得ることができます
さて、勝った1人は意気揚々と情報を発信していくでしょう
一方、負けた1023人は恐らく情報を発信しません
発信したとしても、勝った1人の方が持て囃され、発信される情報は、質・量・注目度全てで圧倒することになります
そうすると、「ルーレットで10億の資産を作りました!」という本が量産され、「〇〇な私でも勝てるルーレット必勝法」という記事がネットを駆け巡ることになります
ここで、その幸運な1人を目標にルーレットに挑む人がいたら、誰もが馬鹿か?としか思わないでしょう
それがルーレットであれば、です
株式投資とルーレットに違いはあるのでしょうか
株でも上記のルーレットと同じことが起きている可能性がある、とは考えられないでしょうか?勿論単純に掛け金が倍になるか0になるかというゲームではありませんし、完全な運否天賦でもありません
そのため、ルーレットと同一とは言えないことは確かです
ただ、運の要素も大きいこと、勝ちを保証されているわけではないこと、敗者がいることを忘れてはいけないことには変わりはないはずです
目論見通り株価が推移した場合にすらインデックス投資は負けることはある
素人(パッシブなインデックス投資)でもプロに勝てる投資法というのはよく見かけます確かにこれまでの実績ではそうだったのでしょうが、今後もそうとは保証されているものではありません
加えて、仮に目論見通りの株の値動きだとしても、インデックス投資は負ける可能性があることは見落としがちではないでしょうか
例えば、明日発生し20年以上に渡る大恐慌があったとしたら、今50~60歳のこれから取り崩し時に当たる人は不可避の敗北を免れません
20年ではなく60年だったら今の投資家はほぼ全滅です
60年・・・と思うかもしれませんが、過去の事例を元にするのであれば、60年程度の株価の低迷は十分「有り得る範囲」です
また、暴落時に慌てて売った人は大損しているはずです
ここでもまた、「持ってれば上がるから問題ない」と思ったとしたら、生存者バイアスに囚われています
暴落時に全員が持ち続けられるのならば、そして投資先が必ず復活するのなら、株式で損する人はどこにもいません
ドルコスト平均法の死角で記載したように、
心理的に投資したくても物理的に投資が続けられない可能性も考慮すべきでしょう
参考リンク:
バリュー株投資 安全域を保つ様
圧倒的なデータ不足
株という概念が発見されたのは言ってしまえば最近ですこれまでの高々100年(100個)程度のデータで今後を見通すのは無理があるでしょう
しかも、最初の20年と今の20年では、連続したデータとして扱うのも躊躇するくらい、世の中は変化しています
過去のデータはあくまで過去かつ母数の少ないデータであり、更に、世の中に出てきているデータはあくまで勝者のデータであることは、忘れないことが重要です
将来の株高は信用しています
さて、ここまで書いておいてなんですが、今から40年後(私の取り崩し時)は今より株価が高いと判断(というか、勘ですが)してはいます一番の理由は、世の中に流通するお金(仮想通貨などの現金以外も含む)の総量は増える方向に動いていることです
総量が増える以上、現金の価値は相対的に落ちるのは間違いないかと考えています
核融合・疑似的な永久機関・AIをはじめとしたテクノロジーの進化により、モノの価値すら無くなるかもしれませんが。。。
まあ、その際はお金の価値もまた同様に無くなっているはずですなのでどうでもよさそうですね
まとめ
美味しい話は生存者バイアスを疑いましょう偶々勝った人なんて腐るほど存在します
株式のデータも高々100年程度、しかも環境の変化が大きい中での100年です
よって、過去のデータがこうだったから未来はこう!という考えは、
大きな危険が潜んでいることに気を付けましょう
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