数式とか使ってないので結構分厚いですがサクサク読めました
序盤は歴史上のバブルについて記載されています
なんと15章あるうちの3章がバブルについての記載
その後は、時価総額加重のインデックスファンドが最適である理由を延々と説明し、
最後に具体的なアドバイスという流れとなっています
私なりの解釈を以下に記載してきます
ウォール街のランダムウォーカーを読んで
ファンダメンタル価値と砂上の楼閣(P26~、P134~、P202
ファンダメンタル価値学派では株式の価値=企業が配当として支払うお金の流列によって決まるとの考えですこれがファンダメンタル分析派になります
砂上の楼閣派は企業の収益見通しは誰にも予想できず、一般投資家よりも早く株価水準の変化を予想することが大事との考えです
これが後程テクニカル分析派になります
テクニカル分析が上手くいかない理由は
・トレンドが形成された後にしか投資できないこと(出遅れる)、
・自己矛盾に陥る(いかなる手法にせよ、同じ手法を用いる人々の数が多くなればなるほどその有効性が低くなっていく)、
・シグナル形成前のシグナル形成前のシグナル・・・を予想しようとすればするほど不確実性が大きくなる
の3点のためと主張されています
更に、株式売買が頻繁になりがちなので、仮に効果があっても手数料と税金に見合うメリットを得るのが困難という理由も併せ、著者はテクニカル分析には特に否定的な印象です
ファンダメンタル分析も
・将来についての期待が正しいかは現時点では証明できないこと
・不完全なデータから正確な期待値は計算できないこと
(例えば成長持続期間を10年から11年・・・と伸ばすことでいくらでも将来の株価の期待値を高く計算可能)
・「成長期待」への評価は時期によって流行り廃りがあり、成長率の高さに対するプレミアムをどの程度払えばよいかは分からないこと(仮に成長する企業とその成長率を正確に堀り当てても、市場参加者が成長率に払うプレミアムを引き下げることで、株価が落ちる可能性があること)
から、上手くいかないと主張されています
この辺りは私も似たように考えています→ファンダメンタル分析とテクニカル分析について
バブルについて(P35~
冒頭の記載の通り、実に3章はバブルについて記載されていますしかし、歴史の教科書よろしく、何があって何があって。。。と延々と記載が続くので正直つまらないw
と思っているとバブルでやられるんでしょうね
バブルの最後に参加してしまうかどうかは投資手腕の優劣を容易にひっくり返すでしょうから、これだけページを割いているのかな?と推測します
次項のPERを気にしておけば、大体は避けられる気はしますが。。。
高い株価収益率(PER)の危険性(P156~他
期待EPS(1株当たり利益)が上がると、PERも上がり、ダブルで恩恵を受けられるのでお勧めされていますEPSが1、株価7.5のある企業があるとします
この企業のEPSが2に上がると、市場がこの企業を成長企業に分類し、PERを今の7.5から15に上げるかもしれません
そうなるとEPS2*PER15で株価は30になります
逆に、期待成長が実現できないことは危険視されています
PERが高いということは、EPSは上がって当然と市場が評価しているということです
その当然が崩れた場合、EPSの減少に加えてPERの減少が掛け合わされ、株価が一気に落ちることになります
これは明記されていない(と思う)ので特に私なりの解釈になりますが、PERの捉え方が株価をEPSで割って算出する(回収期間を計算することになる)のではなく、EPSに市場が期待するPERを掛けて株価になるという考え方なのでしょう
数値だけ見ると同じ事なのですが、私にはこちらの方がしっくりきます
PER100なんて回収100年後ですからね
なので、高PERは避けるべきなのでしょう
(個別株の購入方針の参考リンクの記事も参照下さい)
コイン投げ(P230
生存者バイアスの怖さで私も記載しましたが、類似例が記載されていますベータと分散、システマティックリスク(P266~
システマティックリスクは株式市場全体がある程度は一緒に動く傾向があることから生まれるリスク、非システィマティックリスクは個別の企業が、例えば新商品の発売や天災などで被るリスクのことです
非システィマティックリスクは分散投資によってほぼゼロにできるので、このリスクを取ってもリターンは貰えません
逆に言えば、集中投資はこのリスクを背負ったうえでリターンを狙う必要があるので、相当ハードルが上がるのでしょう
また、ベータ自体を正確に測ることはできません
よって、ベータ=システィマティックリスクを元に投資をする作戦は上手くいきません
行動ファイナンス理論から得られる教訓(P318~
多くの個人投資家は相場のピーク付近で購入、大底で売却することが多いというデータがあります投資信託への資金流入と、S&P500のリターンを重ねると、かなり強い相関を見て取れます
これをタイミング・ペナルティと呼んでいます
また、同じようにセレクション・ペナルティというものがあり、これも同様にあるセクターの株をピークで買い、ボトムで売ってまた別のピークにある株を買ってしまう傾向があります
株式を持ち続け、暴落時に買い増したいと考えていますが、これはかなり高いハードルなのかもしれません
行動ファイナンス理論は単純に面白そうという理由もあり、もう少し勉強しても良いかなーとは思っています
スマート・ベータ(P327~
一つだけわからないのは、時価総額加重のインデックスも一つのスマートベータ戦略なんじゃないかなーと思ったり財産の健康管理のための10か条と私の実行状況(P365~
10か条に併せて、私の状況を確認してみました日米の差があるので実現できない部分を除き、結構実行できていました
後は、検討中の部分も実行するか、もう一度検討しないとですね
第一条:元手を蓄えよ
社会人生活10年ちょいで幸運にも元手と言えるだけの現金は貯まりました
第二条:現金と保険で万一に備えよ
挙げられた保険は家族が要る場合の死亡保険、それと自動車と火災保険ですが、私に関係ありません
健康保険と傷害保険も挙げられていましたが、多分これアメリカだから必要なのでしょう
とすれば、満たせてますね
加入する保険の検討で検討済です
第三条:現預金でもインフレヘッジ
手持ち資金もインフレによる資産の目減りに備えるという話
ただ、MMFやら定期・インターネットバンクへの預金、短期国債などで対策しようということなので、日本じゃ満たせません(短期の為替リスクを負うことになるので
第四条:節税対策と年金制度の活用
日本だとNISAとiDeCoになるのかな。あとはふるさと納税か
できる人は経費とかもここに入るでしょう
これも以下のように検討済
つみたてNISAと従来のNISAについて
iDECOについて
ふるさと納税
第五条:運用目標をはっきりさせる
これがはっきりしていないと、リスクを取りすぎる危険性があるとの主張です
私はこれも大丈夫で、資産運用戦略で検討済です
第六条:マイホームの活用
「不動産は最も強力なインフレヘッジ」という主張ですが、日本では土地の価格が上がるとも思えません
日米の差も大きい気はします。節税にはなりますけれども・・・
私の場合転勤の可能性があることと、寮があるので、とりあえず会社を辞めるまではこのままで良いでしょう
第七条:債券市場に注目
インフレには弱いものの、株式との非相関関係に拠るリスク分散効果を見込まれています
これも日本だと魅力的な債権が無いので日米の差は大きいように思えます
外国債券ですと為替の影響をうけますし・・・
債権(か類似商品)への投資で検討して時々買ったり売ったりしていますが、
今のところメインでは購入していません。これも第三、第六と同じく、日米の差があるので仕方ない部分でしょう
第八条:金、ダイヤ、書画骨董、コレクターアイテム
金または金ETFは悪くないとの評価です
ただ、それ以外は不要との主張
アセットアロケーションの目標と実現の中で一応金もありかなあと検討していますが、
決めきれないでいます
次の改版で恐らくは仮想通貨に言及されると思いますが、どうなるかは知りたいところです
第九条:投資に掛かるコストに目を配る
頻繁な売買による手数料や投資アドバイザーへの支払いはペイしない、投信やREITでの運用の祭はコストの差がカギ、それに税金など、コントロールできる要素は注意深くコントロールしようとの主張です
これもまずまずできているかな
一応手数料は低いファンドしか購入していませんし、買った株式はほぼ手放していません
(不祥事時に買ったけど思ったより上がらなかった株は売ったりしていますが・・・)
税金についてはできることは限られていますが、損だしの実行(毎年12月に行う)はしています
第十条:分散投資が大原則
問題ないでしょう
リスク資産の半分程度はインデックス投資ですし、割合も全世界の時価総額比と極端には違いません
個別株も多少比率が高いのがありますが、それでも精々全資産の3%程度です
全編を通して
(纏まった記載もありますが)税金に関する話が随所に出てきますキャピタルゲインの先送り、税金の減免制度を利用しようと繰り返し書かれています
資産運用の障害:税金で私も障害として挙げていますが、税金がかなりの強敵というのは日本も米国も変わりないようです
まとめ
そんなに目新しい話は無かったのでそこは残念でしたが、逆に言えば今までの生活で自然と積み重ねてきたりとか、色々なブログを読み漁ったりしたりするだけでも、結構な知識が付くものだなとも言えます
後は、実際どの位実践できるか、でしょうか
時価総額加重のインデックスファンドってこの上なく退屈でしょうから
著者もそれを認識されているのか、最終章の最後では、「ほとんどの投資家は、単純なランダムウォーク理論だけではとても納得しないだろう」とも記載されていて、「運用資金の大きな部分をインデックスで運用し、残りの資金でこれはと思う個別銘柄に掛けるやり方」も提唱しています
私としても、このやり方はしっくりくるので、倣おうかなと考えています
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